無用の用

車輪には真ん中に穴があってこそやくにたつ。茶碗は中がえぐれてるからものがはいる、というようなことでした。そこにないからといって、やくにたっていないと考えてはいけない、というようなオチ。哲学してるのね、中国のえらいかたは。
おとーさん、たまには存在せずに、やくにたってほしいものです。
しかし、家のなかをみわたせば、存在してるからじゃまであり、役にも立たない、てのものがあふれております。犬もふくめて。うちのお犬様、本来なら、立派に仕事犬となるような種類なのですが、人を出し抜いてまで出世しなくても、タイプらしい。命令すれば難なくこなすのですが、自分からご主人様を守ろうとか、家の安全管理とか、宝物を掘り出すとか、おぼれかけた御婦人を助けるとか、名誉欲がないというか、やる気がないというか、別に、クビになるわけじゃなし、与えられた仕事だけをして無事に定年を迎えられればいいといった態度があからさまです。時間になるとサッと退社するやつ。そのくせ、仕事以外のことでは付き合いがよく、上品でわりとハンサム、イギリス製のセーターなんかが似合うので、女にはうけがいいが、いざというとき、まーどっちでもいいんじゃないかなー、なんてこというのでがっかりさせられるとか。
三代目のおぼっちゃまは、そんなもんかもしれません。