まだ10時にもなってないが徹夜したようなこの疲れかた。今日は、母が来たのだ。日本からではなく、車で10分もしない所から。子供たちが小さかった頃は毎週きていた。そのころは誰でも少しでも子供の面倒をみてくれるなら大歓迎だった。とはいえ、おむつをかえる、寝かしつける、泣いているのをどうにかする、などの育児の基本というのを手伝ってくれるわけではない。おもちゃをかう、お菓子をかう、ビデオを一緒にみる、などなど、いわゆるおばあちゃんらしく接して帰ってゆく。ま、赤子でも子供でも、たまには日常ばなれした羽目を外す日があってもいいんじゃないかということにしておいた。
さて、その孫たちはいまでは19と18になり、おもちゃもナントカレンジャーから「車」や「コンピューター」になってさすがに「お兄ちゃんと仲良く使うんだよ」と新車をかうわけにもいかなくなり、いまでは節目にちょっと顔をみにくるというようになっている。
二十年前にくらべると角が取れたとはいえ、あいかわらず口が悪い。優しくほめられたことなど一度もなし。

今日は一時に迎えに行くことになっていた。一分でも遅れると機嫌が悪くなるので早めに到着。しかし、早すぎても「せかされて家を出ちゃったよ」となるので家のまえで少しまってから電話をする。そのように母に言うと「家の前で待つってのも時間の無駄だねぇ」と返される。
「晩ご飯、どうするんだい、イタリアンかチャイニーズかね」やばいことに、イタも中華も先週食べに行ってるのだ。結局、日本食料品店でおかず類をかってかえることになる。出だしからスムーズにいかない。
車の中ではさすがに静かだが、あまりだまっていると「運転しながら会話ができないようじゃ運転が未熟ってことなんだよ…」と。ウゥー難しいな。
「その、あんたのシャツ、どこで買ったんだい?」そうか、安物ながらも新品だ。
ウソついて、GAPといっておこうか、正直にウォルマートで三ドルで買いましたといったほうがいいんだろうか。一応、たぶんターゲットだったかな、いろいろいかったから覚えてない、といっておく。「そんな安っぽいシャツ、何枚あってもねぇ」というお答え。

無事に買い物も終わり、家に着く。どっと疲れた。が、ここで買ってきたものを皿にとったり、冷蔵庫にいれたりしなくてはまたおとがめが。
それより、まずビール。そうだ母はビールが好きなのです。さっそくに昨日から冷やしてあったのを一本あける。「なんだい、冷たすぎて味がないよ」ぐぅーっ、そうきたか。ニュースをみるともなしにみていると、「あたしはこの局の観ないんだよ、キャスターが年寄りだからね」あんたより若いよ…といいいたいが。
いよいよ食事の時間。全員そろっていただきます、なのだが、このときビールはもう片付けなくてはいけない。お茶をいれる。おっと、まずい、私好みで薄めにいれてしまった。母は濃いのがお好みだった。そこでまた文句。「お茶っぱケチってまずいお茶いれてもしょうがないだろ」で、もうひとつかみ葉っぱをたしていれ直す。

ああ後一時間でお帰りの時間。そうおもえば我慢もできる。
小さい時からあまり私と一緒に過ごした時間がないので、今になっても自分の子供との接しかたがへたなんだろうか。
あとで悪口、陰でいろいろは絶対にいわないのだ。そのときぐさっとくるのだ。
これ、自分の母だからこうやって笑ってながせるんだろうな。というか、私もこの年になって、やっと笑って(心の中でだけ)流せるようになったのだ。
今日はもう寝ます。