ブルーミングデール

数日前、ダウンタウンに新しくできたデパート、といっても日本やイギリスの老舗のような百貨店ではなく衣料品店だが、一応有名なブルーミングデールへいってみた。急に冬になったような雨の日だったので、じゃデパートにでもいってみるか、と、そんなのは私たちだけかと思いきや、休日のショッピングセンター並みの混雑だった。しっかりおばさんになってしまっている私は、タダの香水をためし、買いもしないバッグを手に取り、穴のあいてるジーンズ89ドル也に「まったく若いひとはねぇ」とあきれて、地下のフードコートで「ひげぱぱ」のシュークリームを買ってかえった。ふぅ,人ごみは疲れるね。
年がばれるが、わたしがサンフランシスコに住み始めたころ、ここには「エンポリアム」というりっぱな百貨店があったのだ。地下に特売場があり、屋上にはお子様用のちいさな遊戯施設もあって、数ブロック先のおしゃれな「メーシーズ」より好きだった。建物は古く、できた当時(1930年代)から中流庶民が日曜日にお買い物する場所だったららしく、ある意味では野暮ったく、店員もオバさんっぽかったと思う。そういえば、アイマグニン、ジョセフマグニンってのもあって、こっちは高級だったのであまりいかなかったけど、これもつぶれちゃったよね。うわー、おばあちゃんの昔話のようだ、もうひとつ思い出した、「シティー オブ パリス」っての。ドームのついた小さめの店舗だったが今はそのドームをのこして「ニーマン マーカス」になっている。そこは当時でもおばあさんが手袋やハンカチを買いにいくような店でショーケースが木枠だった。