和洋お菓子とパンの作り方百種

きのうにひきつづき「たべもの」の話題を。
手元にあるのは昭和14年の「主婦の友」三月号の付録「和洋お菓子とパンの作り方百種」。1939年というと世の中はどんどんヤバい方へ進んでいるわけで、お菓子なんかをのんびり作っていられるのもこの年の春までだったと思う。和洋のお菓子はもちろん、チキントースト、ライブレッド、きな粉入りパンなど明日にでも食卓にのるようなメニューもたくさんある。そのなかでも挑戦したくなるのは『味自慢 名物まんじゅうの作り方』。あの『○村屋』のレシピ。ちょっと、引用させていただくと、「長年の修練が物を言うので、口に言えないこつのものですから、まあ初め二三度は失敗するつもりでお試しください」と始まる。作り方を載せといて、失敗覚悟でおためしくださいって、「カンタンにつくれるあの有名店の味!」ってのは当時なかったようだ。しかし、『味は肉まんだがもっと簡単に作れる「餃子」』のレシピがつづく。それをマスターしたら次は「カレー風味の肉まん」なのだ。いま、ここに時空をこえてとんできてほしい…。
タイトルには「手軽にできる」とあるがアップルフリッターとか甘納豆とかマシュマロなど、手のかかるレシピも数多い。しかしその頃は調理全般に手間がかかっていた訳だから、すべてが手作業のお菓子作りもそんなに「めんどー…」なことじゃなかったのかもしれない。
それにしても、プリンはおやつの王様。もちろん作り方は今も昔も同じだが、コピーまでも『外で頂けば十五銭もするプディングもお家で作れば五銭もかからず…』とある。